FRAGMENTS 勅使川原三郎ブログ

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今日はイタリア全土のストライキで劇場にはテクニシャンは来ず、予定されていたゲネプロの一つ前の総合リハーサルが中止になって、その代わり私たちは稽古場で、照明テクニシャンのセルジオ(常に行動を共にしているブラジル人)と修正点を綿密に打ち合わせすることができた。そして熱心なソリストの歌手、クリスチャンが休みなったはずだが、稽古場に来て舞台上の動きなどを共通理解することができて良かった。その後は久しぶりの晴れの日なのに一歩も外に出ず、夜10時まで稽古した。ダンス作品の準備だ。
明日は早朝から、今日明確になった点を正してゲネプロに備える。多くの客が観に来るようだ。着々と準備する事がなにより必要なのだ。まだまだ本番までは一日ある。慌てることはない。じっくりとした目で見れば、修正点が見えてくる。きちんとした落ち着いた目が新たな何かを見いだすのだ。
私はこういう緊張感が張りつめた時が最も好きな時間といえるかもしれない。一番追い込まれる時、自分が最も欲しているものが見えてくる。それが判断になり言葉になり、当然行動になる。事実が積み上げられる瞬間だ。
いままで見たことがない何かを目にし、聴くもの見るもの、そして空間を振るわす振動を全身で感じる時が来る。どんなに微細であっても感じたものは澄んだ剥き身の身体に引きつけられる。私は初めてのなにかを感じたい。予兆がありそうでいて、私の気持ちはそれを拒否する。

2010年3月31日 15:36

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