「ガドルフの百合」
創作中の佐東利穂子より①

—宮沢賢治の文学を基にした作品は2021年だけでも「春 変奏曲」「風の又三郎」とありました。またこれまでにもいくつもの作品創作をされていますが、宮沢賢治の魅力とは、どんなところにあると思われますか?
 
佐東利穂子:
賢治はよく当たり前ではない独自の表現をします。
それを私は、改めて「そのもの」と触れさせてくれる
貴重な体験としていつも受け取ります。
そしてポツンとした描写や独白などの中に、
孤独と寂しさとそこから戦って生きていこうとする姿が
がいつもどんな生き物の姿にも見られます。
生き物、と言ったのは、彼の作品の中では
人間も動物も植物も、同じようにひそやかに、
健気に、そして必死で生きているように感じるからです。
 
 
(続く...)

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