Works / 活動紹介

ハリー
小説「ソラリス」より

演出:勅使川原三郎
出演:佐東利穂子

照明技術:清水裕樹(ハロ)
照明技術助手:井口貴春(ハロ)
音響技術:三森啓弘(サウンドマン)
主催:KARAS
提携:シアターX(カイ)
上演時間:60分
初演:2015年7月10日 東京・両国 シアターX(カイ)

「ハリー」ノート
 
ソラリスが人間の脳に影響を与えている。
 
宇宙に存在する知能をもつ惑星ソラリスを探査するため送り
 
込まれた科学者のうちの心理学者クリスの前にある朝10年
 
前に争いで自殺した妻ハリーが自分の部屋に現れる。ハリー
 
は今もクリスを強く愛しているが、自分が実際には存在しな
 
い死人のコピーにすぎず、どんなに愛してもこの愛は意味が
 
無いと知る。激しく失望したハリーは何度も自殺を試みるが
 
死人は二度死ねない。愛が叶わないうえ死ぬこともできない。
 
不可能の愛、不可能の存在、、、終わりのない苦しみ、、、
 
                     勅使川原三郎
ギャラリー
レビュー(抜粋)
オンステージ新聞 2015年7月30日号 渡辺真弓氏
「佐東はこの世の者ではなく、オペラ以上に女性らしい細やかな感性をほとばしらせ、極めて燃焼度の高い
ダンスで観客の心を確実につかんだ。」 
ダンスマガジン2015年10月号 石井達朗氏
もはやこの世のものではない女性ハリーを踊る佐東の不可思議な存在感。
まるで夢幻能であるかのように昇華された舞台に、観客席はすっかり吸い寄せられて、
一瞬たりとも眼が離せなくなる。
同作をカラス・アパラタスで見たが、シアターXでは佐東を包む闇がずっと深くて広く濃い。
それだけ彼女の孤独が清冽で切なく、真に迫る。
月間シアターX批評通信 三浦雅士氏
浮かび上がった空間の中で立っている女性がかすかに傾く。傾き続ける。普通の人間がこれほど傾くことはありえない。まるで空気にもたれかかっているようだ。疑いなく無重力が踊られているのである。...(中略)
佐東が見せた無重力の恐怖と快楽を私は決して忘れないだろう。