Works / 活動紹介

雲のなごり

〈東京バレエ団創立55周年記念委嘱作品〉
 
演出 振付 照明 美術 勅使川原三郎
演出助手 佐東利穂子
出演 佐東利穂子
沖香菜子、三雲友里加
柄本弾、秋元康臣、池本祥真、岡崎隼也(東京バレエ団)
 
指揮 ベンジャミン・ポープ
演奏 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
 
技術監督:立川好治
照明技術:清水祐樹(ハロ)
衣裳製作:武田園子(ヴェロニク)
装置協力:金井勇一郎(金井大道具)
 
[公演全体]
照明:喜多村貴
音響:市川文武
 
主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会
後援:TOKYO FM/一般社団法人日本バレエ団連盟
制作:公益財団法人日本舞台芸術振興会
はじまりもおわりもないダンスを求めて
 
私はダンスに向かう時、ある設定をする。
まだ、なにもない、なにひとつ用意されていないと認識して
感じ得るまで正確に準備しなくてはいけないと稽古場に向かう。
立ち居るべき床、生きている身体、呼吸や動くための空気、
動くための重み、光や影、音や沈黙、、他にもいろいろ、、、
なかったものを得た後に、、、、、まだ、なにかが現れて、うつろいゆき、
そして消え去りなにもかもなくなる。
自然のうつろいにははじめもおわりもないように。
藤原定家の歌より、
 夕暮れはいずこの雲のなごりとて はなたちばなに風の吹くらむ
雲は風に吹かれてすでにないが、近くには花の香りとしての風がある、
それが「雲のなごり」となる。
ないことがあるという実感こそ、私の芸術、特にダンスの基です。
古こそが現在過去の境を超えるものであり、
ないことはなにかを問い求める生き方を実行したい。
歌人や作曲家、そして幾多の先人が表した仕事に感謝し、
私は新作の準備をつづけると決意を新たにしています。
勅使川原三郎
 
音楽 武満徹「地平線のドーリア」「ノスタルジアーアンドレイ・タルコフスキーの追憶にー」
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